中小企業の会社説明会戦略──人材との出会いをつくるリアル&オンラインイベント活用術
「求人を出しても応募が来ない」「面接まで来てくれる人が少ない」──そんな悩みを抱える中小企業の方も多いのではないでしょうか。特に、採用広報に多額の予算をかけられない会社にとって、人材との“最初の接点”づくりは課題です。
そこで注目したいのが、会社説明会や合同説明会といったイベントの活用です。採用活動の一環としてはもちろん、自社の認知を広げたり、応募前に会社の雰囲気を知ってもらったりと、メリットの多い手法と言えます。
本記事では、リアルとオンライン、それぞれの説明会開催のコツや、小規模でも実践できる企画・運営方法、集客やフォローのポイントまで、中小企業目線で実用的な情報をお届けします。
なぜ中小企業に会社説明会が必要なのか
中小企業の担当者の中には、「応募者が少数だから説明会は不要」と考えている方もいるかもしれません。
確かに、説明会やイベントには参加費や人件費がかかるうえ、採用人数の少なさも考えると、一見、費用対効果に見合わないような印象を受けるでしょう。
しかし、より良い人材に応募してもらうためには、会社のことを知ってもらう機会を増やすことが重要です。
以下では、説明会の重要性をより具体的に解説していきます。
求人広告だけでは伝わらない職場の魅力を伝えられる

どんなに魅力的な求人票を作成しても、文章や数字だけでは「実際の職場の雰囲気」までは伝えきれません。
働く場所としてのリアリティがないと、応募にはつながりにくくなります。その点、会社説明会は、求職者に職場の空気感を直接届けられる貴重な機会です。
現場の温度感を肌で感じてもらえることで、「ここなら働いてみたい」と感じてもらえる可能性が高まります。
中小企業こそ人柄・雰囲気が武器になる
中小企業は大企業と比べて、知名度や福利厚生ではなかなか勝つことは難しいのが現実です。
しかし、経営者との距離の近さやフラットな人間関係など、規模の小ささゆえの魅力もあります。会社説明会は、そうした企業文化や社員の人柄を見せるのに最適な場です。
特に、社長や社員の人柄こそが入社の決め手になるケースも多く、小規模企業にとっては強力な差別化ポイントになります。
求職者に納得感を与えられる
各種就職活動調査では、近年の若手求職者は、給与や待遇だけでなく「どんな人と働くのか」「どんな想いで仕事をしているのか」といった企業文化や働く人との相性なども重視する傾向があります。
そのため、事前に企業の姿勢や雰囲気を知ることができる会社説明会は、自分に合った職場かどうかを見極めたいというニーズにマッチしています。
中小企業に説明会を含むイベントが必要な理由については、以下の記事でも解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
参考記事「なぜ今、中小企業にこそイベントが必要なのか?その理由と成果の出し方」
会社説明会の開催方法

会社説明会は主に会場や会社で開催されていましたが、コロナ禍以降はオンラインでの開催も増えてきました。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、どちらも確認のうえで開催方法を検討しましょう。
リアル開催のメリット・デメリット
- メリット
-
- 実際の職場を見てもらえる
- 社員と直接会話できる
- 空気感や働く人の雰囲気が伝わりやすい
- デメリット
-
- 会場準備や人員調整に手間がかかる
- 地域外からの参加が難しい
リアル開催はオンラインに比べて会場の準備や運営に手間がかかるものの、求職者にとっては企業の雰囲気を実際に体感できる貴重な機会です。
説明会に加えてオフィス見学や現場紹介を組み込めば、リアル開催ならではの臨場感が伝わります。コロナ禍を経て安全対策が整っていれば、少人数制での開催もおすすめです。
オンライン開催のメリット・デメリット
- メリット
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- 地方・遠方の求職者も気軽に参加できる
- 会場コストがかからず、スモールスタートが可能
- 録画して再利用できる
- デメリット
-
- 画面越しでは雰囲気が伝わりにくい
- 一方通行になりやすく、参加者の反応が見えにくい
オンライン開催は会場が必要ない分、開催のハードルが低いのが大きな魅力です。遠方の求職者も参加できることから、地域外からの求職者にもアプローチしやすくなります。
特に、ZoomやGoogle Meetを使えば、少人数向けのライブ説明会も手軽に開催できます。社員の話を交えたパネルディスカッション形式なども効果的です。
ハイブリッド開催も視野に入れる
リアル・オンラインの両方にメリットがあるため、可能であればハイブリッド開催も検討しましょう。
たとえば、リアル開催の様子をライブ配信したり、オンラインで事前説明を行い、選考に進んだ人だけ現地見学してもらったりなど、段階的な導入も可能です。
小規模でも効果を上げる会社説明会の作り方

小規模な説明会でも、作り込めば求職者に会社の魅力が伝わり、より良い人材が集まりやすくなります。
以下を参考にしつつ、会社の方針に合わせて準備を進めてください。
説明会の目的を明確にする
まずは「応募を増やしたいのか」「社風理解を促したいのか」「入社後のミスマッチを減らしたいのか」といった目的を明確にしましょう。
目的により、構成や話す内容や準備する資料が変わってきます。
たとえば、応募を増やしたいなら会社の魅力を存分にアピールする必要があり、社風理解を促すのであれば社内の雰囲気や開催している社内イベントや福利厚生、働き方といった点をアピールすべきです。ミスマッチを減らすためには、求職者が業務を理解できるような内容にすることが求められます。
プログラム構成の例
よくあるプログラム構成の例を紹介します。
- 会社・事業内容の紹介
- 現場社員との座談会
- 1日の仕事の流れ紹介
- オフィス・工場見学
- Q&Aタイム
形式にとらわれず、「その会社で働くイメージが湧く」ように構成を組むのがポイントです。
たとえば、社員の一日を紹介する動画を作成したり、現場スタッフが本音で語るトークコーナーを設けるなど、「その会社にしかない」情報を盛り込むと、印象に残りやすくなります。
集客・参加者対応・フォローのポイント
会社の準備だけでなく、実際に参加する求職者への対応やアフターフォローも重要です。
応募への入口であるここに注力することで、参加者に好印象を与え、応募につながります。
効果的な集客方法
集客方法にはさまざまありますが、主な手段は以下の通りです。

中小企業ほど、既存の人脈や地域ネットワークを活かした集客がカギとなります。
大企業は人海戦術を駆使してホームページやSNSにも力を入れていますが、人材やコストが限られる企業は満足にできない場合もあるでしょう。
そこで、ネットワークを活かして地元志向の人材や質の高い人材を集めることで、自社に合った人材との出会いにつなげましょう。
実際に、宮城県の企業では1年で応募者数が50名と大幅に増加し、12名の採用に至った事例もあります。
会社説明会進行のコツ
会社説明会では、ただ淡々と進行させるだけでなく、「参加してくれてありがとう」という感謝の一言を忘れないようにしましょう。
高圧的に接するよりも、求職者に寄り添った対応の方が求職者も親しみを持ちやすくなり、その後の応募につながります。
また、一方通行にならないよう、随所に質疑応答や参加者のリアクションを促す仕掛けをしておくと、参加者も集中力を保ちやすくなったり、印象に残りやすくなったりという効果が期待できます。
ただし、社員の「いつもの雰囲気」が伝わるよう、演出は最小限に留めておくのもポイントです。
応募につなげるフォローアップ術
会社説明会は「来てくれて終わり」ではなく、以下のような次につながる導線設計が重要です。

最後まで求職者への好印象を残しつつ、説明会をきっかけにつながりを作ることを意識しましょう。
まとめ
中小企業にとって、採用は待っているだけでは進みません。限られた予算・人員でも、自社を知ってもらう「場」を作ることが、人材との出会いにつながります。
説明会といっても、大規模な準備は不要です。必要なのは、誠実に求職者と向き合う姿勢と、自社の魅力を伝えたいという思いです。
ぜひ、あなたの会社でも一歩を踏み出してみませんか?






